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全国保証株式会社について

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営業利益率が驚異の75%以上の全国保証株式会社についてビジネスモデル、決算書、株主還元について解説します。

何やってる会社?

中核事業は住宅ローン保証を中核とした「信用保証事業」となります。 住宅ローン保証とは、住宅の購入に際して購入者がローンを組む場合、そのローンの連帯保証を引受けることを言います。連帯保証を引き受ける対価として「保証料」を徴収して収益を上げています。

よって、全国保証株式会社の業績はざっくり言うと下記の式で成り立つと考えられます。

保証するローン残高を増やす = 保証料収入が増える=業績が上がる

ただし、①代位弁済を少なくすること、②求償債権をしっかり回収することが重要

①=購入者がローンを払えない場合に立替払いをすること

②=立替払いを購入者から回収すること

つまり、保証ローンが増えると保証料収入が増えるが、審査を甘くするとローンが焦げ付き代位弁済をしなければならず、代位弁済を回収できないと業績が悪化します。

景気が悪化すると一般的には新築の数量が減り、失業が増えればローン返済も難しくなる人が増えると考えられるので業績悪化の要因となります。

信用保証事業のイメージとしては下記の図のようにお客さま(消費者)が住居を購入する際に金融機関からローンを組む際に、債務不履行に陥った場合に備えて保証委託契約を全国保証と結びます。金融機関とすれば渋滞の連帯保証人を立てる場合に比べて債務不履行時に全国保証が債務弁済をしてくれるためしっかりと貸し付けたお金を回収できます。お客様(消費者)も連帯保証人を擁立する必要が無いことがメリットとなります。

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公式HPより

国保証は年々保証ローン残高を増加させており、「保証料」収入も増加していると考えられます。

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国保証 IRニュースより

保証ローンに対する代位弁済金額は増加傾向ではあるものの、保証財務残高の上昇率に対しては低く抑えらえています。そして、立替払いをした債権の回収も求償権回収金額になるように高水準で行われているようです。

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国保証 IRニュースより

業績について

当初の予想に対して経常利益を下方修正しましたが営業収益447億円に対して当期純利益は249億円もあります。「保証料」>>>「ローン焦げ付きによる回収ができない債権」という構図だと考えられます。

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国保証 IRニュースより

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国保証 IRニュースより

株主還元について

今後の計画は営業収益増加に伴いEPS(1株当り純利益)も増加し配当性向も段階的に増やしていく予定の様です。配当性向は現状の27%から30~35%程度を目標にしています。

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国保証 IRニュースより
2020年3月期は経常利益の減少があるものの、配当性向を引き上げることで配当を90円⇒95円に増加に修正されました。
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国保証 IRニュースより

利益剰余金を確認すると1,153億円となっています。

発行済み株式68,871,790×95円 = 約65億円のため業績が悪化しても配当を支払うだけのキャッシュは十分にあることが分かります。

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国保証 財務データより

キャッシュフロー計算書を確認すると2019年は投資活動によるキャッシュのマイナスが大きかったため現金及び現金同等物の期首残高は減少していますが営業活動によりしっかりとキャッシュが創出できているので問題は無さそうです。

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国保証 財務データより
まとめ

これまでの業績についてはかなり良好かつ株主還元をしっかりと打ち出している。株主還元分のキャッシュも豊富なため簡単には減配をしないと考えられる。一方で今後の景気次第で新築住宅数が減少及びローン返済ができない人が増加した場合は業績悪化の可能性あり。